最強の女性コメディアン、ティナ・フェイとエイミー・ポーラーのほぼすべて
今回は自分が一番好きで尊敬してやまないアメリカのコメディアン、ティナ・フェイとエイミー・ポーラーについて書きたいと思う。
2人は今やアメリカでトップのコメディアンだ。けれども、彼女たちについての資料はほとんどないし、取り上げられる機会も少ない。
今日本でも、女性であるがゆえにネット上で誹謗中傷が書かれたり、政治の事を語ろうとすれば女はわかってないからとマウントを取られたりと嫌な思いをしている人もたくさんいるだろう。
ティナもエイミーも女性であるがゆえに軽んじられたり、嫌がらせを受けたりもした。
しかし、2人はそういった抑圧に対して、ユーモアを武器に戦っていった。
もしロクデモナイ男たちや社会に嫌な思いをしている人がいるなら、これを読んで少しでも何かの励みになるとすれば嬉しく思う。
これは史上最も面白くて優しくて美しい2人のコメディアンの話である。
〇2人の生い立ち
ティナ・フェイは1970年にペンシルヴェニアで生まれる。
『モンティ・パイソン』や『サタデー・ナイト・ライブ』など幼い時からコメディが好きだった彼女は高校では演劇部入り、学校新聞で風刺記事を描くなどかなりのオタク系の女子だった。その事と幼いころに犯罪者に切り付けられたアゴの傷で周りの女子からいじめられる事もあった。
1971年にマサチューセッツで生まれたエイミー・ポーラーも『サタデー・ナイト・ライブ』が好きで特にギルダ・ラドナーに憧れていた。
エイミーも高校時代に演劇部に入り、さらには生徒会やサッカーやソフトボールなどスポーツにも精を出していた。
〇インプロとの出会い
ティナもエイミーも大学を卒業したのちに、インプロを学ぶためにインプロヴオリンピックに加入する。そこの創設者のデル・クローズを師事したティナとポーラーは、意気投合して、一緒にショーを行い、セカンド・シティの地方巡業にも一緒に回った。
友情をはぐくんでいった2人だったが、1996年にエイミーは、アダム・マッケイらが中心となって作った、アップライト・シテチズンズ・ブリゲイト(UCB)にマッケイの代わりとして所属する。シカゴからニューヨークへ拠点を移す。
一方、シカゴに残ったティナはセカンド・シティを中心に活動するが、1997年に『サタデー・ナイト・ライブ』のライターとして雇われ、ニューヨークへ。
〇夢のサタデー・ナイト・ライブ
ティナの初めてのライターとして仕事をしたのはシルベスタ・スタローンがホストの回だった。コントは採用されなかったが、別の仕事を任された。
スタローンが何を言っているのか聞き取れないから、もっとはっきり喋ってくれとお願いしに行く仕事であった。幸い、スタローンは好意的で事なきを得た。
しかし、その後ティナにはより嫌な事が起きた。
オープニングのモノローグでのエイドリアンの役を誰がやるか。
ティナは女性メンバーのシェリ・オテリがピッタリだと感じていた。
しかし、エイドリアンの役は男性メンバーのクリス・カッテンが選ばれた。カッテンよりシェリの方が面白く演じられるはずなのに男に女性を演じさせるという安易な笑いに逃げたことや女性差別がティナには悔しかった。
その後、1999年にティナは、アダム・マッケイにコントの総括などするライターの長、ヘッド・ライターに指名され、女性で初めてのヘッド・ライターに就任する。
2000年になると、ライターと並行してキャストにもなり、ジミー・ファロン共に、『サタデー・ナイト・ライブ』のニュースパロディコーナー、「ウィークエンド・アップデイト」のアンカーに。
翌年には、セカンド・シティの音楽監督だったジェフ・リッチモンドと結婚する。
『サタデー・ナイト・ライブ』のコーナー「ウィークエンド・アップデイト」より
UCBのメンバーと共にニューヨークに行ったエイミーは、コナン・オブライエンの深夜トークショー『レイトナイト・ウィズ・コナン・オブライエン』のライターに見いだされ、UCBのメンバー共々、番組にサブレギュラーで出演。
エイミーは、コナンの相棒、アンディの妹で、コナンの事が好きすぎて番組の進行を邪魔してくるティーンの役を演じた。
Andy's Little Sister Invited Conan To Her New Year's Party - "Late Night With Conan O'Brien"
その演技を気に入られ、アダム・サンドラー製作、ロブ・シュナイダー主演の『デュース・ビガロウ、激安ジゴロ』(98)に出演。
ケーブルのコメディ専門TV局、コメディ・セントラルにてUCBのメンバーをメインにしたコント番組『アップライト・シチズンズ・ブリゲイド』(98)を放送するも3年で終わってしまう。ちなみにティナからは『サタデー・ナイト・ライブ』のメンバーになるように勧められていたが、エイミーはUCBのためにオファーを断り続けていた。
だが、ティナの後押しもあり、エイミーは2001年にセス・マイヤーズらと共に『サタデー・ナイト・ライブ』のキャスト入りを果たす。
さらにこの年にエイミーはコメディアンのウィル・アーネットと結婚(のちに離婚)。
私生活は順調だった一方で『サタデー・ナイト・ライブ』の1年目はというと、エイミーはクビにならないようにとにかく必死でストレスやプレッシャーでマヤ・ルドルフやプロデューサーのデスクに行っては泣いていたという。
〇パートナー・イン・クライム
ある日エイミーがセス・マイヤーズと大声で下ネタのネタ作りをしていると、
ジミー・ファロンが「やめな。そんな事言うのは可愛くもないし、面白くない」と怒るとエイミーはその言葉にキレて「あんたが好きかどうかなんて関係ない!」と言った。
この言葉がティナの考えを変えさせた。
女性だからといって可愛くなる必要もないし、男性の恋人役をやる必要もない。
自分が面白いと思う事をやるだけ。誰の意見も関係ない。
ティナのヘッド・ライターとしての孤独をエイミーは癒してくれた。
ティナはエイミーという最高のパートナーを得て、男性主義的な『サタデー・ナイト・ライブ』を変えていった。エイミーの他にもティナには強い仲間がいた。マヤ・ルドルフやレイチェル・ドラッチ、アナ・ガスチャー、ライターのポーラ・ペルなどのたくましく面白い女性たちだ。
ティナはライターとしてエイミーにたくさんのコントを提供し、一方のエイミーも彼女の演技力で沢山のキャラクターを演じ2人の友情はさらに強いものとなった。
ティナは普通のキャラクターを演じる事に徹し、エイミーは、奇抜なキャラクターを演じた。この正反対の組み合わせは、まるでサタデー・ナイト・ライブ第1期のジェーン・カーティンとギルダ・ラドナーのようだった。
さらに2002年にティナは『サタデー・ナイト・ライブ』のライターとしてエミー賞を獲得。また2004年には、ティナが学生時代にいじめを受けていた実体験をベースに『女の子って、どうして傷つけあうの?』を脚色した映画『ミーン・ガールズ』が大ヒットする。ティナは主人公の学校の先生、エイミーも学園の女王の母親役を演じた。
ティナ・フェイが書いたCMコント
そして、ジミー・ファロンが『サタデー・ナイト・ライブ』を卒業することになり、『ウィークエンド・アップデイト』のファロンの枠の後釜にティナはエイミーを推薦。
こうして『ウィークエンド・アップデイト』初のW女性アンカーという座組が誕生する。
これによりティナとエイミーは世間的にもコンビとして認識され始める。
そして2006年にティナは『サタデー・ナイト・ライブ』を卒業する。
ティナが自分のライター体験を基にした、新しいドラマシリーズ『サーティー・ロック』(06)のスタートするためである。
エイミーは引き続きキャストとして残り、身重になっても番組に出演し話題となった。
W女性アンカーとなった時のウィークエンド・アップデイト
ティナは『サーティー・ロック』の忙しさから『サタデー・ナイト・ライブ』に戻るつもりはなかったが、2008年にある事件が起こる。
旦那のジェフがTVを見ていたところ、ティナにそっくりな女性が映っていた。
その女性とは、08年の大統領選の共和党候補者、ジョン・マケインが副大統領候補として指名した“サラ・ペイリン”だ。
最初は『サタデー・ナイト・ライブ』への復帰には乗り気ではなかったティナだが、盟友のセス・マイヤーズやヒラリー・クリントンのモノマネが十八番だった、エイミーなどの後押しもあって、番組に復帰する。
リベラルのティナ・フェイにとっては失言やおバカ発言で話題になった共和党のサラ・ペイリンは好きになる事は出来なかったが、彼女に攻撃的になるようなコントになる事は避けようとした。
セスが用意していたエイミー演じるヒラリーとティナ演じるペイリンのコント台本の一部を書き換え、2人がただ喧嘩しているコントだけのではなく、そこに女性政治家が受けるセクシズムのネタを入れた。
Sarah Palin and Hillary Address the Nation - SNL
ティナの演じるサラ・ペイリンはクオリティの高さはフランスの新聞が間違ってティナのコント写真を使ってしまうほどだった。
ティナのモノマネはペイリン自身をいい意味でも悪い意味でも有名にさせた。
ペイリン効果で視聴率がアップした『サタデー・ナイト・ライブ』はさらなるアップを狙おうと、サラ・ペイリン本人をゲストで登場させるという、いわゆるご本人登場をやろうとした。ペイリン側は乗り気だった。
しかし、ティナは悩んだ。もしティナとペイリンが共演してコント終わりにハグでもしようものなら、共和党の票に貢献してしまう。
一方で、ペイリンとの出演を拒んでティナが出演しなければそれはそれで、また問題だ。
ペイリンの出演を渋々承諾したティナにはもう一つ気になる事があった。
リベラルの観覧客が多い『サタデー・ナイト・ライブ』にペイリンがスタジオに登場しようものなら、ブーイングが起こる可能性がある。
それをペイリンの子供たちが見たらどう思うか。
ティナは、ペイリンの記者会見のコントを本人がプロデューサーのローン・マイケルズと一緒に廊下で見ていて、アレック・ボールドウェインがペイリンをティナと勘違いするというコントを用意した。
それで、観覧客にはその場にいるのか録画なのかわからないようにしてブーイング対策をとった。
ティナはペイリンに対して最大限の配慮をしつつ、彼女を演じた。
Gov. Sarah Palin's Press Conference - SNL
しかし、一部からはやりかたが、意地悪だなどの批判もあった。
代々、男性キャストがカーター大統領やクリントン大統領、ブッシュ大統領など演じてどんなにバカにしても批判はなかったにもかかわらず、ティナのペイリンにはメディアからの批判もあった。
ティナはどちらかといえば、他のキャストが政治家を演じてきた時よりも配慮してペイリンを演じて、彼女のパーソナルな部分を調べてそこは傷つけないように配慮して、演じていたにも関わらず批判がったのだ。
ティナは女性だから批判されているのだと気づいた。
『サタデー・ナイト・ライブ』を変えられても世間を変えるのはまだ難しかった。
その証拠にジャーナリストのクリストファー・ヒッチェンズが「女性はなぜつまらないのか」という記事をヴァニティ・フェアに寄稿して物議を醸した。
その記事に反論するためティナとエイミーは先輩のサラ・シルヴァーマンと共に女性コメディアン仲間を引き連れて、ヴァニティ・フェアの特集記事を乗っ取った。
さらに2008年には映画『ベイビー・ママ』で2人は主演を演じる。
そして、2009年にエイミーも『サタデー・ナイト・ライブ』から卒業する。
〇別々の道へ
ティナは2006年から自身のライターでの経験を基にして作ったコメディ・ドラマ『サーティー・ロック』をスタートさせる。
ティナは『サタデー・ナイト・ライブ』にいた時と同様に夜のコメディ番組のヘッド・ライター、リズ・レモンを演じる。
『サタデー・ナイト・ライブ』のプロデューサーのローン・マイケルズをモデルにした、リズの理解の無い上司ジャック・ドナギーは『サタデー・ナイト・ライブ』で数多くホストを務めた、アレック・ボールドウェインが演じている。
ワガママで横柄な黒人コメディアン、トレイシーを『サタデー・ナイト・ライブ』時代の盟友、トレイシー・モーガンが演じている。
そして、リズの売れない時代からの友人で番組の看板女優ジェナをジェーン・クラコウスキーが演じている。
このジェナは、いかにもティナがエイミーにやらせていたような頭の悪いルッキズムに囚われた女性キャラクターである。
彼らとやる気のないライター達との番組制作におけるすったもんだと対立しながらも理解し合うリズとジャックの姿を描いたのがこの『サーティー・ロック』である。
番組のプロデューサーは、ローン・マイケルズが担当し、ライターには『サタデー・ナイト・ライブ』でイカれたコントをよく書いていたロバート・カーロックを呼び、音楽は旦那のジェフが担当。
またクリス・パーネル、ポーラ・ペル、ジェイソン・サダイキスなどの『サタデー・ナイト・ライブ』時代の仲間も多数ゲスト出演した。
ショウビズ界の裏側をネタにしたブラック・ジョークはもちろんこの後のティナ・フェイ製作の作品に共通する、ナンセンスギャグとセクシズムを扱ったギャグの数々は評判を呼び、エミー賞を3年連続で受賞するなど人気ドラマになった。
30 Rock - Liz Lemon Loves Food
一方のエイミーは、『サタデー・ナイト・ライブ』時代の盟友で番組を卒業してアメリカ版『The Office』のライターをしていたマイケル・シュアと『ザ・シンプソンズ』や『The Office』の製作を務めたグレッグ・ダニエルズと共に『Parks and Recreation』をスタートさせる。
このドラマは、架空の街、ポウニーの公園管理課を舞台にしたストーリーで『The Office』のようなモキュメンタリースタイルで撮影された。
エイミーは、公園管理課で働くレズリー・ノープを演じている。
また、彼女の上司で政府や人間が大嫌いなリバータリアンの男、ロン・スワンソンをニック・オファーマンが演じている。
周りを固めるキャストには、クリス・プラットやアジズ・アンサリ、またUCB所属のオブリー・プラザ、ベン・シュワルツなどUCB所属の面々も多く起用した。
『The Office』をベースにしたユーモアで、『サーティー・ロック』のようなドライさやブラックさよりもハートウォーミングなストーリーに重きを置いている。
最初のシーズンの評判は芳しくなかったが、テコ入れによりドライなユーモアよりハートウォーミングなストーリーにしてシーズンを重ねるごとに人気を博していった。
Leslie, the Foodie - Parks and Recreation
『サタデー・ナイト・ライブ』時代、ヘッド・ライターとして周りを引っ張っていかなければいけない、自分の意思を突き通さなければいけないというティナのあり方と周りと協調して進んでいくというエイミーのあり方が、『サーティー・ロック』と『Parks and Recreation』の作家性の違いを生んだのだと思われる。
『サーティー・ロック』も終わった頃、ティナはNETFLIXで、『The Office』に出演していたエリー・ケンパーを主演にしたドラマの制作を始める。
『アンブレイカブル・キミー・シュミット』は、『サーティー・ロック』でも組んだ、ロバート・カーロックと共に、15年間教祖という男に拉致監禁されていた女性キミーがニューヨークで新しい暮らしを始めるというコメディ・ドラマだ。
キャストは『サーティー・ロック』に出ていた、ジェーン・クラコウスキーとタイタス・バージェスのキャラクターをそのままスライドさせて、登場させた。
『サーティー・ロック』と同じナンセンスなビジュアルや会話のジョークの応酬で、
またトランプ政権、me,tooムーブメントなど時期でもあったため人種差別やルッキズム、セクシズムをネタにしたギャグは『サーティー・ロック』以上に増えていった。
セクシズムギャグとしては、主人公たちを監禁したメニニズムのバカな教祖、セクハラするマペットのキャラ、インセルの男、セクハラの取材でローナン・ファローが出てくるなどキツめの風刺が盛りだくさんだが、ティナによるメッセージもより明確なものになっている。
女性が抑圧される社会、型にはめられてしまう社会に向き合う事、声を上げることの大切さ、そして男性の持って生まれたセクシズムに対してどうすればいいのか。
ものすごくフザけたギャグの中にキチンとこのようなメッセージや問いかけを潜ませている。
シーズンは終わったものの2020年の5月に視聴者が展開を操作して選ぶ、インタラクティブ版で復活。
「空手」や「爆破する」など本筋とは絶対関係ないフザけた選択肢がついていてストーリーが全く進まないナンセンスさが魅力だ。
もちろん、ルイスCKの事などセクシズムをネタにしたギャグも健在。
また同じ作風とテーマ性で『グレイト・ニュース』というニュース番組の局員とインターンで局にやってくるその母親とのやり取りを描いたコメディ・ドラマでもティナは製作と出演をしている。
アンブレイカブル・キミー・シュミット予告編 - Netflix [HD]
一方エイミーもUCBのイラーナ・ウェクスラーとアビー・ エイブラムスの2人が主演するコメディ番組『Broad City』の製作を担当する。
そして『Parks and Recreation』が終わるとNetflixで『ロシアン・ドール』の製作と脚本を担当することになる。
『Parks and Recreation』とは、うって変わって、死んではその1日をタイムループする女性を主人公にした、ダークなファンタジードラマである。
主演を演じるのはナターシャ・リオン。
このように2人はそれぞれ別の方向に歩んでいったが、
2015年には久々に2人で出演した映画『シスターズ』やNETFLIXで配信されたエイミー・ポーラーの長編初監督作品『ワイン・カントリー』(19)など2人での活動が終わったわけではない。
そして、2021年のゴールデングローブ賞の司会にティナとエイミーのコンビが6年ぶりに復帰する。
これまで計4回のゴールデングローブ賞の司会にて以下のようなジョークを言った。
「『ゼロ・グラビディ』が作品賞にノミネートされています。ストーリーは、ジョージ・クルーニーが自分と同じ年の女性と一緒にいるぐらいなら宇宙空間で死ぬ方がましだというものです」
「『ゼロ・ダークサーティ』での拷問シーンでの真偽について語るつもりはありませんが、一つ言えるのは、監督のキャサリン・ビグローはジェームズ・キャメロンとの結婚という拷問に3年間も耐えたという事です」
「アン・ハサウェイは素晴らしい演技を『レ・ミゼラブル』で見せてくれました。
あの孤独で見放された姿は、あなたがジェームズ・フランコとアカデミー賞の司会をした時以来です」
これらのギリギリのセレブいじりのジョークをニコニコしながら言う憎めない2人の姿が好評で視聴率も良かった。この時の2人が一番面白いという人も少なくない。来年拝見どんなジョークを言うのか今から楽しみで仕方ない。今年は例年以上にたっぷりネタがあるはずだ。
このようにざっとティナ・フェイとエイミー・ポーラーが歩んできた道を振り返っていった。2人は自分たちを比べたり競い合ったりはしない。
困った時や助けが必要な時はお互い協力し合って前に進んでいくのが2人のやり方だ。
彼女たちだけじゃなく多くの女性たちがそうやって進んできたのだろう。
男や男社会に邪魔をされながらも。
その昔、日本で発売されたサタデー・ナイト・ライブの本に「ティナ・フェイ」がヘッド・ライターになってからつまらなくなったという一文が書かれていたことがあった。
その著者はもう亡くなったのでとやかく言うつもりはないが、正気だったのだろうか。
2人を見てわかるように女性は最高に面白い。
ティナとエイミー以降の女性コメディアンたちもとても面白い。
もちろん、彼女たち以前の女性コメディアンたちも。
これからも女性は面白くない、政治的な発言は控えるべきだ、つつましいのが一番だと言ってくるロクデナシどもは後を絶たないだろう。
それでも、それらの言動や抑圧を女性たちは打ち破っていくはずだ。
エイミーが言ったようにそいつが好きだろうが嫌いだろうが関係ない。
誰から認められる必要もないし、誰かの意見も聞かなくたっていい。競い合う必要だってない。
自分がそれを面白いと思うかどうかが一番大事なのだ。
男性だろうが女性だろうが関係ない。面白いというものに性別なんかは関係ないのだ。
その大切な事をティナとエイミーは我々に教えてくれたのだと思う。
最後にティナ・フェイの作品で一番オススメなのは日本でもシーズン3までは観れる
『サーティー・ロック』であろう。本当に笑わせてくれる。
エイミー・ポーラーのおススメは『Parks and Recreation』だが、日本ではDVDを輸入するなりしないと観る事はできない。でもこの作品を強くおススメしたい。